自分の「原型」をつくる

ミシンを買って半年、市販の切ってすぐ使える型紙から始めて、ソーイング本に挟み込みの型紙を写して縫い代をつけて服を縫うのは普通にこなせるようになった。それはそれでおもしろいんだが、私はけっこう癖のある体型で、既製服が合わないからミシンを始めたので、型紙を自作して服をつくるのがかねてよりの目標だった。

型紙を完全になにもないところから自作する方法は、日本語のソーイング界にあまり資料がない。津田蘭子『365日、手作り服で暮らしています。』がもっとも近い。この本はミシンを買うより前に購入してある。ただ、これは採寸はするんだけどけっこう製図がざっくりで、ぴったり自分サイズにはなりづらい。

ということで、物は試しとChatGPTに海外のソーイングガチ勢がどうやって自分の服をつくるのか聞き、実践してみた。今回はまずトップスを作る。

  • セルフ採寸する
  • 1回目のトワルを裁断する
  • 仮縫いして試着する
  • 型紙をおこす
  • 2回目トワルを組む
  • 試着、補正する

セルフ採寸する

まず自分の体を採寸する。必要そうなところを巻き尺で測る。頭の周り、首周り、肩幅、腕の付け根の周囲、腕(肩先から手首)、胸一番高いところ周囲、胸下周囲、ウエスト一番細いところ周囲、腰骨の一番出ているところ周囲、尻の一番高いところ周囲、首の付け根からへそまで、股からひざまで、ひざからかかとまで、足の長さ、を測った。

1回目のトワルを裁断する

採寸結果をもとに、生地に直接仮のかたちを書き込んで裁断する。
生地はシーチング、できれば白無地。書くのはふつうの油性ペンでいい。シーチングは厚みもハリも「普通」だし、扱いやすい基本的な生地だから。フィット感やしわを見たり、書き込んだりしたいので白い無地がいい。今回は淡い格子柄のものしか手元になかった。これはこれでガイドになるので悪くはなかった。

前身頃(1枚)
幅:肩幅/2 + ゆとり約6cm
長さ:首~へそ + 10cm

後ろ身頃(1枚)
幅:前と同じ
長さ:前の長さ+ 5cm

袖(2枚)
幅:腕付け根周囲/2 + ゆとり約5cm
長さ:腕 + ゆとり約5cm

生地はおもてが見えるように半分に折って、半身を上の要領で書きこむ。身頃はただの四角、袖も単純な筒でOK。あとで直すので、ここはとりあえずめっちゃ箱型に作る。ペンで書いたとおりに裁断する。
肩をまち針でとめて頭からかぶり、脇もクリップなどでかるくとめる。ここから着たまま肩、首などの曲線部分を直接生地にペンで書き込む。

  • 鏡を見ながら肩のラインを書く
  • 首のラインを書く(前は見ながら鎖骨上あたりまで、後ろは首付け根をペンでマークしてそこに合わせてかるく曲線を書く)
  • 脇の余った部分をつまみ、その内側に脇線を書く
  • 袖を2枚あわせて腕にあて、袖ぐりと袖幅にあわせて書き込む

線を書いたらそれに沿って裁断する。

仮縫いして試着する

裁断した生地を仮縫いする。

  • マンセルシャッペスパン60、白
  • 11号針
  • 返し縫いや玉結びはしない(あとでほどく)
  • 縫い目は荒くする(3.5~4.0cm)

試着のチェック事項は以下。上から順にみる。

  • 普通に立って腕を下げ、深呼吸して違和感がないか→きつい場合は全体的な幅の見直し
  • 肩線が肩先より長くないか、短すぎないか→過不足cmをメモ
  • 首が詰まりすぎていないか、後ろにひっぱられていないか→修正ラインを生地に書き込む
  • 胸まわりに横じわ→身幅不足、斜めにひっぱる→胸の位置がずれてる、胸が浮く→ダーツ過多なので各自修正する内容をメモ
    (今回フラットな服がほしいためダーツをとっていないが、女性服標準はとるものらしい)
  • ウエスト以下は窮屈でないか、余っていないか→過不足cmをメモ
  • 腕を上げ下げしたり、回したりする→違和感あれば袖ぐり・肩幅・袖山を修正

着たまま書き込んだり、脱いで修正指示やラインを直接書き込んでいく。私の場合はこんな感じ。

  • 頭が入らない→急遽首を大きめに切りなおした!
  • 身頃がタイトすぎる→身幅不足。前身頃、後ろ身頃各+2cm(全周8cm追加)
  • 丈がやや短い→前後とも+3cm
  • 腕の動作はOK、袖の長さがやや短い→袖丈 +2cm、肩線そのまま、袖ぐりそのまま

型紙をおこす

1回目トワルと修正指示をもとに型紙をおこす。

  • 製図用紙(薄)
  • シャーペン
  • 手芸用定規

さっきのトワルをほどいてパーツに戻す。それぞれのさっき書き込んだ修正線を製図用紙に書き写したり、指示にそって長さを足したりして、型紙をおこす。透ける紙なので、トワルのパーツの上に重ね、線を透かしてなぞる。曲線の手芸用定規があると楽。できたらはさみで切り、「日付、服の種類、パーツの名前、布目の向き」などを書く。

2回目トワルを組む

型紙をもとにして、縫い代をつけて生地を裁断し、仮縫いする。

  • シーチング、白無地
  • マンセルシャッペスパン60、白
  • 11号針
  • 返し縫いや玉結びはしない(あとでほどく)
  • 縫い目は荒くする(3.5~4.0cm)
  • 縫い代は全部1cmに統一する

試着、補正する

試着しながら、以下をチェックして紙にメモする。

  • 首はきつくないか
  • 身幅は過不足ないか
  • 丈は過不足ないか
  • 肩がずれたり落ちたりしないか
  • 腕の長さや付け根まわりに違和感がないか

さて、私の場合は2回目トワルでほぼきれいに着られるようになった。必要があればこれを補正していい感じにしてください。

今回は基本の「原型」なので、タイトかつ体型は拾わないあたりを狙った。小柄なので、既製服でこういうサイズのものがない。パリッとしたワイシャツなどを想定した。ここからゆとりのある被りのブラウスや、ニット生地のカットソーを作る場合に、もう少し身幅を広げる予定。
前後差は悩んでひかえめにとったが、ワイシャツを作る場合はもう少し差をつけたい。丈は今回は普通の長さにしたが、これもワイシャツなら前後とももっと中心を長くして、脇にかけてカーブするように補正するつもり。裾のカーブをしっかりつけると裾の2回折りあげ処理がめちゃくちゃめんどくさくなるので、今回はマイルドにした。

これで「森山原型260104トップス」が完成だ。
この原型をもとにして、襟や前開きの有無、袖のバリエーション、ワンピース展開などができる。次回は、まず第一作として、ポロシャツ風のボタンフライがある布はくの真っ黒なブラウスをやりたい。めちゃくちゃ楽しみだ。頑張るぞ。

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